ホーム > 個人の相談 > 刑事事件、少年事件

刑事事件、少年事件


刑事事件

私はこれまで国選弁護事件を中心に刑事事件を200件以上経験し、裁判員事件などの重要 事件も多く経験してきました。刑事事件は裁判の見通しや、被害弁済の見通しなど、経験が必 要な事件が多いと言えます。以下では手続の流れに沿って、概要をご説明します。


警察からの呼び出し
身柄を拘束される前の段階です。何らかの事件に関与して警察から呼び出しを受けるな どの状況においても弁護士に相談することができます。この段階で弁護士に依頼すること により、被害者との示談を進めるなどの対応を取ることも可能です
但し、警察からの任意の呼び出しを受けている状況ではなく、警察の捜査から逃げてい る状況にいては、弁護士は犯人をかくまっているとの疑いを持たれる言動はできません。 捜査から逃げている状況であると判断した場合には、弁護士は警察に通報することが通常 であると言えます。

逮捕から拘留まで
ご本人や身内の方が逮捕された場合、弁護士会の当番弁護制度を利用して、すぐに弁護 士を呼ぶことができます。この当番弁護は原則として1回のみ利用できます。逮捕される と逮捕後72時間以内に勾留するかどうかが決められます。
この段階で私選弁護人を選任することができます。この段階の弁護活動により、拘留を 免れる可能性がある場合には、私選弁護人の選任をお勧めします。

拘留から起訴まで(20日間)
勾留が決まると20日を上限に身柄を拘束され、拘留の最終日に起訴(刑事裁判)かど うか決まります。この間の弁護活動を起訴前弁護といいます。弁護人は被疑者に接見して 事情を聞き、被害者と示談するなどして、事案によっては不起訴や罰金(略式裁判)など で終われるように行動します。
多くの事件ではこの期間の弁護人を国選で付けることができます。資力のある方はその 費用を請求されることがありますが、一般的に私選弁護人よりもかなり低額です。
この段階での弁護人の行動により起訴されるかどうかが分れる事件もあり、被害者との 示談に十分な労力を投入して欲しいなどの事情がある場合には私選弁護人を選任すること をお勧めします。

起訴から裁判(起訴後・刑事裁判)
起訴後の手続は次の2つに分かれます。

ア 略式裁判(罰金)
略式裁判とは簡単な流れ作業のように行なわれる裁判で、通常は罰金刑が下されます。 略式裁判では起訴直後に罰金刑が下されるので、裁判のために弁護士が選任されることはありません。

イ 法廷での裁判
法廷で正式な裁判(公判)が行われる場合には、国選弁護人を選任することができます。なお、法定刑に死刑や無期懲役がある犯罪の場合などでは裁判員裁判が行われます。

私選弁護人と国選弁護人の違い
以上のとおり、A、B、Cの各段階で国選弁護人を選任することができます。国選弁護人は私選弁護人と同じ業務をすることが原則であり、 それならば高額な私選弁護人を選任する必要はないとも言えそうです。 私は国選弁護人として多くの事件を経験してきましたが、私選弁護人を選任する必要が乏しいと考えられる事件は少なくありませんでした。


私選弁護人のメリット

国選弁護人の報酬は極端に安く、保釈請求や示談交渉は成功した場合にのみ極端に低 額な追加報酬が出るのみです。国選弁護人はこれらに報酬に見合わない多大な労力を投 入することは困難であるという現実的な問題があります。
従って、保釈や示談交渉に十分な労力を投入して欲しいという希望がある場合には、 私選弁護人を選任することをお勧めします。

国選弁護人は弁護士ごとの経験やスキルに大きな違いがあるため、弁護人の法的なア ドバイスや対応の違いにより起訴と不起訴が分れる事件や、執行猶予と実刑に分れる事 件もあります。この場合には私選弁護人を選任することをお勧めします。
一方で、執行猶予中の重大犯罪(例えば、覚せい剤)の再犯のように実刑がほぼ確定 している事件においては、弁護人を選任するメリットは小さいと言えます。しかし、こ の種の事件でもまれに執行猶予となる場合もあるため、「できる限りの努力をして欲し い」とのご希望がある場合には私選弁護人を選任するメリットがあります。

費用(消費税別途)
A 起訴前(逮捕後、起訴されるかどうかが決まるまでの期間)の弁護

着手金(接見場所が名古屋市外のときは事情に応じて加算します)
標準額    25万円(単純な事件は20万円)
否認事件   40万円

報酬
不起訴のとき 20万円

B 起訴後(起訴されてから第1審が終了するまで)

着手金(接見場所が名古屋市外のときは事情に応じて加算します)
   (起訴前からの継続のときは10万円減額します)
標準額    30万円(単純な事件は25万円)
否認事件   50万円
裁判員裁判  60万円(否認事件のときは90万円)

報酬
標準額    30万円(単純な事件は20万円)
裁判員裁判  50万円

C 特別報酬

保釈を得た場合 10万円
被害者との示談 1件につき8万円
       (30万円以下の示談は1件につき4万円)
執行猶予判決  10万円


少年事件

少年(未成年の男女。少年法では女性も「少年」といいます)が非行を行なった場合には、 弁護士は付添人として活動します。成年の裁判は地方裁判所ですが、少年の裁判は家庭裁判所 で行われます。少年の裁判では、不処分、保護観察、試験観察、少年院送致などの処分が決め られます。裁判までの間に被害弁済や、少年の就労先に身元引受けをお願いしたりして、少年 が更生できる環境を整えていきます。以下では、手続をおおまかに説明します。


逮捕から家庭裁判所に送致されるまで
逮捕されてから72時間以内に拘留されるかどうかが決まります。この間は警察署内の 留置所(代用監獄)に入れられることが多いです。
拘留の決定が下されると、最大で20日間身柄が拘束されます。この間は警察署内の留 置所(代用監獄)に入れられることが多いです。拘留期間の末日に少年事件は全部の事件 が家庭裁判所に送られます(全件送致)。

家裁送致後
家庭裁判所は警察から送られてきた少年事件を、@家庭裁判所で処分を決める事件と、 A地方裁判所に委ねる事件に分類します。Aは殺人事件などの重大犯罪でしばしば行なわ れます。上記@のルートはさらに以下のようになります。

ア 少年鑑別所(観護措置の決定)
少年事件ではほとんどの少年がこの決定により、それまでいた警察署内の留置所か ら少年鑑別所に移されます。少年鑑別所では28日間(建前では原則2週間ですが、 ほぼ例外なく4週間です)を過ごし、その最後の日に裁判(少年審判)が行なわれま す。
この期間に家庭裁判所の調査官が、主として少年の家庭環境や学校や職場での状況 の聞き取り調査を、少年や保護者などから行ないます。一方で警察から送られた事件 記録も存在します。付添人は少年や保護者と面会して事情の聴取と被害弁済等を行な います。

イ 在宅看護
一部の事件では少年の身柄は自宅に戻され、裁判が行なわれる日に少年は裁判所に 出頭します。その間に少年は保護者とともに家庭裁判所に出頭して、上記と同様に調 査官からの聞き取り調査を受けます。まれにそのまま裁判が行なわれない場合(審判 不開始)もあります。

裁判(少年審判)
家庭裁判所の裁判では、以下のように少年の処分が決められます。

ア 保護観察
少年は自宅に戻り、定期的に保護司さんに面会します。

イ 少年院送致
少年院に送致される期間は事件の大きさなどにより決められます。

ウ 試験観察
裁判の先延ばしです。例えば、「半年後にもう一度裁判をやって処分を決めます。それまで仕事を真面目にやっていたかどうかにより少年院送致か保護観察か決めます」 として少年の更生をうながすものです。事件のときに無職であった場合などでしばしば見られます。

エ 不処分
処分なしです。非行はあるけれど処分しない場合と実質的に無罪である場合とがあります。まれな処分ですが、 私が担当した事件で実質無罪でこの処分となったことがあります。

オ 検察官送致
地方裁判所に事件が送られ、成人と同様に通常の刑事裁判を受けることになります。
非常にまれです。

カ 児童自立支援施設・児童養護施設送致

費用(消費税別途)
A 逮捕後、家裁に送致されるまでの弁護

着手金
(面会場所が名古屋市外のときは事情に応じて加算します)
標準額    25万円(単純な事件は20万円)
否認事件   40万円

B 家裁送致から少年審判まで

着手金
(面会場所が名古屋市外のときは事情に応じて加算します)
(家裁送致前からの継続のときは10万円減額します)
標準額    30万円(単純な事件は25万円)
否認事件   50万円
報酬
標準額    30万円(単純な事件は20万円)

C 特別報酬

被害者との示談 1件につき8万円
       (30万円以下の示談は1件につき4万円)
不処分のとき  10万円



arrow