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法律解説Q&A |相続に関する各種の書類

相続に関しては様々な法律問題と手続があり、色々な書類の提出を求められます。そこで戸籍謄本などの各書類の概要をご説明します。

1 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

戸籍謄本は、「戸籍全部事項証明書」が正式な呼び名です。その戸籍に記載されている全員について証明するものです。その戸籍の所在地が「本籍」と呼ばれます。
昔は手書きの戸籍簿の原本が各役場に保管されていて、その写し(戸籍謄本)を申請者に交付していました。戸籍謄本はまさに戸籍の写し(謄本)でした。 その後、戸籍の情報がコンピュータに保管されるようになると情報には原本と写しの概念がなくなりました。 そこで情報を紙にプリントアウトしたもの、即ち、かつての戸籍謄本に当たるものを「戸籍全部事項証明書」と呼ぶことにしたのです。 なお、かつての戸籍抄本に当たるものを「戸籍個人事項証明書」と呼びます。
取り寄せは、直接市区町村役場に行く方法と郵送による方法があります。
郵送の場合は、その役場に必要書類を問い合わせください。


2 戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)

戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)のうちの1名だけ、2名だけと必要な人だけを記載したものです。


3 住民票

住民票はその人が居住していることを市区町村役場が証明する書類です。
但し、住所変更しても役場に届け出をしていない人もいるため、証明の度合いは完全ではありません。
世帯全員の住民票と世帯の一部のみの住民票があります。かつて住民票でも謄本(全部)と抄本(一部)と呼び分けていましたが、住民票の方が戸籍よりも以前にコンピュータ化されたので、この呼び方になじみのない方が多いと思います。

相続に関して裁判所に提出する場合は、マイナンバーの記載のない住民票を出します。
裁判所は不必要な個人情報の受け取りを拒否します。


4 除籍謄本、除籍抄本

除籍とはその戸籍からいなくなった場合を言います。子供が結婚して除籍する場合や死亡の場合があります。
除籍の場合も謄本(全部事項証明書)と抄本(個人事項証明書)の区別があります。


5 改製原戸籍(かいせいげんこせき、かいせいはらこせき)

戸籍がコンピュータ化された時点での紙の戸籍です。
高齢の方が亡くなった場合に生まれてから亡くなるまでの戸籍を取りますが、その中には改正原戸籍が含まれます。「かいせいげんこせき」が正式名称ですが、法曹関係者は「はらこせき」と呼ぶ人が圧倒的多数です。


6 除票(住民票の除票)

亡くなった人の住民票です。相続の場合に死亡を証明する資料として求められることが多いです。


7 戸籍の附票

戸籍に記載された人の歴代の住民票の所在地が記載されています。亡くなったのちは「除附票」と呼ばれます。除附票の保存期間は亡くなってから5年間です。
相続に際して「音信不通のきょうだいの以前の住所地しか覚えていない」という方はそのきょうだいの戸籍を取り寄せて、さらに戸籍の附票でそのきょうだいの現住所を探すことになります。


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