遺言書作成
60歳になったら遺言を考えましょう。
相続の争いの大半は生前のご家族への説明や遺言書により避けることができます。生前に相続のことを何も説明せず、
遺言書も作られなかったために、残された家族が仲たがいして骨肉の争いに発展することもあります。
私はある程度の財産がある場合には遺言書を書くことは、その人の義務であると考えています。遺言書を書かずに「あとは子供らで決めてくれ」では、家族に紛争の火種を残すことになります。相続の争いで絶縁状態に至った家族は決して少なくありません。
もとは仲の良かった家族が相続の争いのために絶縁してしまうことは悲しいことです。60歳になられた際には、遺言書を作成して後日の紛争の予防をすることをお勧めします。
遺言書があとで無効にされないようにするために、遺言書の作成は公証人に依頼すること(公正証書遺言)をお勧めします。公証人は裁判官を退官された方が多く、信頼度が高く、公正証書遺言があとで無効とされることはまずありません。
<手続のご説明>
当事務所では、ご依頼者様のご意向に沿った遺言書の案を作成して、公証人と事前打ち合わせの上、公正証書遺言の原案作りをして、
弁護士が公証役場での公正証書作成に同伴しております。戸籍等の資料の収集などの手続の詳細については弁護士にご相談下さい。
<費用>(消費税別途)
- 実費(公証人への報酬、戸籍や登記簿の取寄せ費用)
公証人への報酬は遺言の対象となる資産の額に応じて異なります。資産の額が同じでも公証役場や公証人ごとに多少の違いがあります。
- 弁護士費用
原則10万円。資産が1億円以上のときは20万円。
相続放棄
被相続人(亡くなった方)に借金がある場合、相続人は相続放棄をしなければ借金も相続します。相続放棄は原則として被相続人に借金があることを知った日から3か月以内に裁判所に申立てて行ないます。細かな注意事項があるので詳細は弁護士にご相談下さい。
<費用>(消費税別途)
- 実費(戸籍等の取寄せ費用)
- 弁護士費用
原則4万円(相続放棄する人ごとに4万円)。
被相続人の借金の調査に相応の手間を要してもこの金額で受任しているため、これまで受任した全ての事件はこの金額で受けています。但し、特別な事情がある場合には2倍以内の金額とすることがありえます。その場合には受任時にご説明します。
相続の事件・・・遺言無効確認、遺留侵害額請求、遺産分割など
私は愛知県弁護士会の相続専門相談を担当しています。愛知県弁護士会では継続的に一定の研修を受けている弁護士のみが相続専門相談を担当しています。相続の問題は多種多様です。当職は多くの相続事件を取り扱ってきましたが、背後に複雑な法律問題を含む事件は少なくありません。手続的な事柄についても熟知している必要があります。事件の種類を決めることが容易ではない場合もあります。
相続の争いは、大きく分けると①遺産の範囲の争いと、②遺産分割に分けられます。以下では、この点を簡単にご説明します。
- 遺産の範囲の争い(遺言無効確認の訴え、遺留侵害額請求など)
遺産分割をするためには遺産の範囲が確定している必要があります。遺産の範囲を確定させる訴訟は通常の民事訴訟で行なわれます。遺言書の有効性により遺産の範囲が異なる場合には、これを地方裁判所での訴訟で決着をつける必要があります。
遺言の有効性に関しては認知症に関する医学的知識が必要な場合もあります。当事務所には認知症に関する医学文献を100冊以上有しており、医学的な主張にも対応できます。
- 遺産分割(調停、訴訟)
相続の争いは長期に及ぶことが少なくないため、裁判外での話し合いが可能であれば相手方に連絡を取り、話し合いをします。裁判外の話し合いが困難である場合には、裁判所で争うことになります。相続の争いは原則として調停を経なければ訴訟を提起できません。そこで調停を行い調停が成立しなかった場合に訴訟を行ないます。この訴訟はほとんどが家庭裁判所で行われます。
<費用>(消費税別途)
- 実費(印紙代、切手代、戸籍・登記簿の取寄せ費用など)
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相続の争いにおいては相手の対応により事件の内容が大きく変わるため、受任の時点で事件の正確な見通しを立てることは困難です。
このため以下の原則的費用をもとにご相談のうえ着手金・報酬を決めています。
なお、経済的利益とは受任時においては相手方との間の争いの金額(双方の主張の差額)を言い、解決時においては双方の合意点からの増額分を言います。
(着手金)経済的利益により異なります。
0~300万円 経済的利益の8%
~3000万円 経済的利益の5%+9万円
~3億円 経済的利益の3%+69万円
(報酬)
0~300万円 経済的利益の16%
~3000万円 経済的利益の10%+18万円
~3億円 経済的利益の6%+138万円
裁判外の事件では上記の3分の1、調停事件では上記の3分の2としています。訴訟に移行したときは、
訴訟事件の弁護士費用との差額を加算しています。遺産の範囲の争いと遺産分割の争いの方法が見込まれるときは、ご相談のうえ弁護士費用を決めています。
成年後見
成年後見とは自分で財産を管理できなくなった人に代わって後見人(通常はご家族が後年人になりますが、
適任者がいない場合には弁護士等がなることもあります)が財産を管理する制度です。
後見を受ける人の能力の度合いに応じて、成年後見、保佐、補助の違いがあります。
家庭裁判所での審判をへて後見人(保佐人、補助人)が選任されます。審判手続では医師の診断書や鑑定書などが必要とされます。
<費用>(消費税別途)
- 実費(裁判所への申立て費用、診断書・鑑定書の費用)
- 弁護士費用
原則として15万円。ほぼ全てをこの費用で行なっております。増額がある場合には受任時にご説明します。
家族信託
最近では遺言では達成できない法律効果を得るために家族信託を用いる事案が少しずつ増えてきました。
事業承継の手法としても家族信託を利用することもできます。不動産に信託の登記をするなどの法的手段も整備されてきました。
但し、家族信託は最近になって多くの著書が出版され、様々な類型の事件においてその有効性について議論が深まりつつある段階ですので、
事案によっては確実な成果が見込めるとは言い難い面もあります。しかし、既存の法的手段では対応ができない問題に対しては、
常に「家族信託ではどうなるのであろうか」との検討をする必要があります。
家族信託の事案は個別の事案ごとの違いが非常に大きいこと、対処法(公正証書の作成、契約書の作成、不動産への信託登記など)も大きく異なること、
事業承継や相続問題などと合わせて受任することが予想されるため、費用については個別の事案ごとにご相談して決めるほかないと考えております。
財産管理契約
高齢のご親族が財産管理を自分では十分に行なえない状況となっても、成年後見を受けることや家族信託をすることをご本人に納得してもらうことは、事案によっては困難を伴います。ご本人にある程度の管理能力が残されている場合にはなおさらです。このような場合にはその前段階として、事案に応じて各種の財産管理契約をすることが有効な場合があります。